
📍 シチュエーション
ゴールデンウィークの混雑対応で、レジを2人体制から3人体制に増やした。狙い通り会計処理は早くなったが、しばらく様子を見ていると、3人目の担当者だけ手持ち無沙汰に立っている場面が目についた。
レジに並ぶお客様の視線が、ふとその「立っているだけの店員」に向くのが見えた。忙しく手を動かす2人と、手持ち無沙汰な1人。お客様からすれば、なぜあの人は手伝わないのだろう、と映っても不思議はない。レジの台数自体は足りているので、3人目には時間的な余裕がある。ただ、その余裕をどう使えばいいのか、本人にも明確な答えがなかったようだ。「人を増やす」という判断は正しかったが、増やした人員に何をしてもらうかまでは、決めていなかった。
❌ よくあるNG対応
- 人数を増やしただけで満足し、役割分担を決めない
- 余裕のある担当者が、レジ横で待機するだけの受け身の姿勢になる
- 手が空いているのに、何をすべきか本人任せにしてしまう
✅ 店長(SM)目線の推奨対応
余裕のある3人目には、具体的な行動を割り当てる。今回のケースでは「通路に出てお渡し・お辞儀を徹底する」という役割を与えた。レジの外に出ることで、お客様に一番近い場所からプラスアルファの接客ができる。
ポイントは、「余裕があるから臨機応変に動いて」ではなく、「通路に出て、お渡しとお辞儀をする」という行動レベルまで具体的に伝えることだ。抽象的な指示は、スタッフの迷いをそのまま残してしまう。
💡 一歩進んだ視点
この役割を伝えた後、スタッフの動きは目に見えて変わった。それまで所在なさげに立っていたのが、通路に出て一人ひとりに会釈をするようになり、表情にも落ち着きが出てきた。指示を変えたのは「通路に出て、お渡しとお辞儀をする」というたった一文だけだ。それでもここまで動きが変わったのは、それまで本人が「何をすればいいか分からない」という迷いの中にいたからだと思う。迷いがある人は、周りからは「やる気がない人」に見えてしまうが、実際は行き先を示されていないだけのことが多い。
これはNLPでいう「フレームが定まっていない」状態に近く、カーネギーも相手への期待は具体的に伝えることの大切さを説いている。「臨機応変に」「気を利かせて」は指導する側には楽な言葉だが、受け取る側には負担になる。役割を行動レベルまで分解して渡すことが、結果的にスタッフの動きやすさにつながる。
🌟 まとめ
- 人数を増やすだけでなく、余裕ができた人の役割まで決める
- 「臨機応変に」ではなく、行動レベルまで具体的に指示する
- 曖昧な指示は迷いを生み、動きを鈍らせる