
📍シチュエーション
現場でスタッフの指導を任せている中間役のスタッフが、周囲から距離を置かれ始めているのに気づいた日があった。指導のために厳しめのことも言う立場だが、それが積み重なって、一部のスタッフから「あの人とは一緒に働きたくない」という声が出るようになっていた。挨拶をしても返ってこない、その人が入る日は空気が硬い、といった変化が見て取れた。
難しいのは、指導役の言っていること自体は間違っていないことだ。役割として必要な指摘をしているだけなのに、嫌われ役を一人で背負い、孤立していく。かといって指導をやめさせれば現場は緩む。指導役をどう支え、板挟みの状態からどう救うかが、店長としての課題になっていた。
❌よくあるNG対応
- 「嫌われるのも役割のうち」と、指導役の孤立を本人任せにする
- 周囲の不満を受けて、指導役の言い分を聞かずにトーンを下げさせる
- 指導役と一般スタッフのどちらか一方だけの味方について、対立を深める
✅店長(SM)目線の推奨対応
まず、指導役を一人にしない。「必要なことを言ってくれているのは分かっている」と、役割として担ってくれている部分を明確に認める。嫌われ役を背負わせている自覚を持ち、店長である自分が後ろ盾だと伝えるだけでも、孤立感はやわらぐ。
そのうえで、指導の「中身」ではなく「伝え方」に一緒に目を向ける。正しい指摘でも、言い方一つで受け取られ方は変わる。指導役だけに責任を負わせず、「この場面はこう言うと角が立たないかも」と、伝え方を二人で調整する。同時に、一般スタッフ側の言い分も個別に聞き、どちらか一方を悪者にしない。指導役を支えることと、現場の空気を整えることは、両立させる前提で動く。
💡一歩進んだ視点
カーネギーは、人を批判する前に、その人の立場を理解しようとすることの大切さを説いている。これは指導される側だけでなく、嫌われ役を担う指導役に対しても同じだ。指導役の「厳しさ」の裏には、店を良くしたいという意図があることが多い。その意図を先に認めることが、本人を支える第一歩になる。
一人の指導役に嫌われ役を集中させる構造は、その人が潰れれば現場全体が崩れるという危うさを抱えている。指導の負荷を店長が分担し、時には自分が矢面に立つ。指導役を「使う」のではなく「守る」視点を持つことが、中間役が機能し続けるための土台になると感じている。
🌟まとめ
- 指導役を一人にせず、役割を担ってくれている部分を明確に認める
- 指導の中身ではなく「伝え方」を一緒に調整し、責任を集中させない
- どちらか一方を悪者にせず、指導役を守りながら現場の空気を整える