
📍 結論から
棚卸しが時間内に終わらない時、当日の進め方を速くしても、あまり変わりません。
私の店でも、時間内に終わらない状態が続いていました。作業を一つずつ計って並べたところ、当日にやる必要のない作業が、当日の枠に入り込んでいたことが分かりました。
やることは3つです。当日の作業を時間つきで記録する。今日でなくてもいい作業を前日へ移す。自分でなくてもいい作業を渡す。
順番が大事です。記録がないまま移そうとすると、何を移せばいいか決められません。
🔍 なぜ当日の枠が膨らむのか
棚卸しの日は、やることがまとめて発生します。数を数える作業と、それに付随する書類と、月替わりで発生する作業が、同じ日に重なります。
このうち、数を数える作業だけが「当日でなければできないこと」です。残りは、当日にやる習慣になっているだけで、日付の制約があるわけではありません。
私も、そのことに気づくまで時間がかかりました。理由は単純で、全部が「棚卸しの作業」という一つの名前で呼ばれていたからです。ひとかたまりになっていると、中を分けようという発想が出てきません。
一度、事前準備がまったくできない状態で棚卸しに入った日があります。イレギュラーと人手不足が重なった日でした。あの日は完全に手が回りませんでした。ただ、あの時に準備さえできていれば違ったとはっきり分かったのが、記録を取るきっかけになりました。
✅ 1:当日の作業を、時間つきで記録する
やること:棚卸しの日に、作業ごとの開始と終了を記録します。 手が空いた人に頼んでも構いません。1回で十分です。
理由:どこが長いかは、やっている本人ほど分からないものです。集中している作業ほど、体感時間が短くなります。
変化:計ってみると、想定と実測が大きくずれている作業がありました。私の場合、書類をまとめる作業が、思っていた時間の3倍かかっていました。数を数える作業ではなく、その周辺で時間が溶けていました。
補足:合計時間だけ記録しても意味がありません。分けて計ってください。 合計は「長かった」以上の情報を持ちません。粒度に迷ったら、5分以上かかりそうなものを1行にするくらいで足ります。
✅ 2:今日でなくてもいい作業を、前日へ移す
やること:記録した作業を、「当日でなければできない/前日でもできる」の2つに分けます。
理由:棚卸しの当日は、時間が固定されています。始められる時刻も、終わらせたい時刻も決まっています。その枠に入れる必要がないものを、先に外します。
狙い:私の場合、返却書類の作成と、発送の準備の2つが前日へ移せると判断しました。見込みでは10分ほどです。数字としては小さいですが、当日の枠が空けば、遅れた時の余裕が生まれます。狙いは短縮そのものより、詰まらなくしておくことです。
補足:前日に移した作業は、前日の予定として書いてください。「余裕があればやる」にすると、忙しい日にそのまま当日へ戻ります。
なお、同じ「当日でなくてもいい作業」でも、人が足りない日は後ろへ送ることになります。棚卸しは終わりの時刻が決まっているので、送る先は後ろではなく前になります。
✅ 3:自分でなくてもいい作業を渡す
やること:残った作業を、「自分でなければできない/他の人でもできる」で分けます。
理由:棚卸しの日は、店長に判断が集中します。判断の要らない作業を抱えていると、肝心な場面で手が塞がります。
狙い:私が渡そうと考えているのは、掲示物の交換です。手順が決まっていて、判断が要らない作業です。ここを手放せれば、こちらは全体を見る側に回れます。
補足:渡す時は、やり方ではなく「終わった状態」を伝えてください。 手順を全部説明すると、説明の時間で短縮分が消えます。
⚠️ うまくいかない時
3つに分けても、どこにも入らない作業が残ります。 私の場合は、3倍かかっていた書類のまとめがそれでした。日付の制約があって前日には移せず、判断も要るので人にも渡せません。これは時間を移す話ではなく、書式と並べ方を変える別の課題として切り出しました。分類の目的は全部を片づけることではなく、残るものを特定することです。
自分が前日に出ていない月もあります。 棚卸しの日が月末で固定なら、前日が自分の休みになる月は必ず出ます。その場合は、移す先を日付ではなく人にしてください。前日に出ている人へ渡すか、二日前へ寄せるか。「前日」は手段であって、目的は当日の枠を空けることです。
1回の記録では判断できない作業があります。 月によって量が変わるものは、2〜3回続けて記録してください。私の店でも、連続して実施したことで時間の見積もり精度が上がりました。
短縮した時間で、別の作業を入れないでください。 空けた枠は、遅れた時の吸収に使うためのものです。ここを埋めると、記録を取る前と同じ状態に戻ります。
🌟 まとめ
- 当日の進め方を速くしても、枠そのものが膨らんでいたら終わらない
- 作業ごとに時間を計る。合計だけでは「長かった」以上の情報がない
- 「当日でなければできないか」で分けて、そうでないものを前日へ移す
- 前日へ移した作業は、前日の予定として書く。余裕があればやる、では戻る
- 前日に自分が出ていない月は、移す先を日付ではなく人にする
- 渡す時は手順ではなく、終わった状態を伝える
- 空けた枠に別の作業を入れない