genba-note|接客現場のどう対応する?ノート

接客業のための「どう対応する?」実用ノート

大雨の日、お客様への声かけはどう変える?

 

📍 シチュエーション

ゴールデンウィーク中、朝から強い雨が降り続いた日があった。傘を差しながら来店するお客様は、荷物も両手もふさがりがちで、いつも通りの「いらっしゃいませ」だけでは、どこか噛み合わない空気が漂っていた。

この日はコンシェルジュ的な立ち位置のスタッフを店頭に配置する体制を試していた。普段は呼び込みや案内が中心の役割だが、雨の日は勝手が違う。傘立ての案内、濡れた床への注意喚起、荷物が多いお客様への声かけなど、晴れの日にはない気配りが求められる。しかも、この体制を任せたのはまだ経験の浅いスタッフで、実施は今回が初めてだった。案の定、最初のうちは通常営業時と同じトーンで声をかけてしまい、お客様の反応も薄かった。

❌ よくあるNG対応

  1. 天候に関係なく、いつも通りの定型的な声かけを続けてしまう
  2. 「今日は雨だから声かけを工夫して」と抽象的に伝えるだけで終わる
  3. 濡れた床や傘の扱いなど、安全面の案内が後回しになる

✅ 店長(SM)目線の推奨対応

天候が変われば、お客様が困っていることも変わる。だから声かけの中身も変える必要がある。今回は「傘立ての場所を最初に伝える」「両手がふさがっている方には商品をお渡しする位置を工夫する」「床が濡れている箇所は先回りして一声かける」という3点を、具体的な言葉とセットでスタッフに伝え直した。

「臨機応変にお客様の様子を見て」ではなく、「傘を差している方には、まず傘立ての場所を伝える」というように、状況ごとの行動を一つずつ言語化する。初めての体制を任せる日ほど、判断の余地を減らし、迷わず動ける形にしておくことが大切だと感じた。

💡 一歩進んだ視点

声かけを具体化してからは、スタッフの表情にも余裕が戻ってきた。何をすればいいか分からない状態は、本人にとって想像以上のプレッシャーになる。特に初めて任される体制では、通常業務以上に「正解が分からない不安」がのしかかる。

カーネギーは、相手に新しいことを求めるときほど、期待を具体的に伝えることの重要性を説いている。「気を利かせて」という指示は、経験を積んだスタッフには通じても、初めての場面に立つスタッフには通じにくい。天候という不確定要素が加わる分、こちらが示すべき行動の解像度も上げる必要がある、と改めて感じた一日だった。

🌟 まとめ

  • 天候が変われば、お客様の困りごとと声かけの中身も変える
  • 初めて任せる体制ほど、行動レベルまで具体的に伝える
  • 「気を利かせて」に頼らず、判断の解像度をこちらが上げる