genba-note|接客現場のどう対応する?ノート

接客業のための「どう対応する?」実用ノート

長時間勤務のスタッフへ、退勤時の声かけを変えた話

📍 シチュエーション

シフトの急なイレギュラーが重なり、あるスタッフに10時間という長時間勤務をお願いすることになった日があった。人員繰りの都合で他に頼める人がおらず、本人も快く引き受けてくれたが、後半になると動きに疲れが見え始めていた。

それでもその日はロスをひとつも出さずに乗り切ることができた。結果だけを見れば上出来だが、長時間勤務そのものが良いことだとは考えていない。むしろ「無理をさせてしまった」という負い目に近い感覚があり、退勤時にどう声をかけるかで悩んだ。単純に「お疲れさま、ありがとう」で終わらせていいのか、それとも別の言葉が必要なのか。

❌ よくあるNG対応

  1. 「ロス0だったね、助かった」と結果だけを評価して終わる
  2. 長時間勤務になった事情の説明もなく、感謝の言葉だけを伝える
  3. 本人の疲労を見て見ぬふりをし、次のシフトでもフォローを入れない

✅ 店長(SM)目線の推奨対応

結果への感謝と、負担をかけたことへの言葉は分けて伝えるようにしている。「今日は10時間、しかも急なお願いだったのに引き受けてくれてありがとう」と、まず事情と負担そのものに触れる。そのうえで「おかげでロスも出さずに乗り切れた」と結果を伝える。感謝の対象を結果だけに絞らないことが、長時間勤務をお願いした側の責任として必要だと考えている。

加えて、その場の言葉だけで終わらせず、次のシフトで意識的に負担の少ない配置にする、休憩を長めに取ってもらうといったフォローまでをセットで考えるようにしている。

💡 一歩進んだ視点

カーネギーは、相手の功績を具体的に、かつ心から称賛することの大切さを説いている。「ロス0」という結果だけを称賛するのは簡単だが、それでは「都合よく使われた」という印象を本人に残しかねない。長時間勤務という負担そのものを認め、言葉にすることで初めて、感謝が本人に届く。同じ10時間勤務でも、「頑張ってくれてありがとう、大変だったね」と伝えられた経験と、「ロス0で助かった」とだけ伝えられた経験では、本人の中に残るものが違う。声かけひとつが、その日の労力をどう記憶するかを左右すると感じている。

🌟 まとめ

  • 結果への感謝と、負担をかけたことへの言葉は分けて伝える
  • その場の言葉だけでなく、次のシフトでのフォローまでセットで考える
  • 同じ行動でも、意味づけの仕方で本人の受け止め方は変わる