genba-note|接客現場のどう対応する?ノート

接客業のための「どう対応する?」実用ノート

呼び込みが苦手なスタッフへの指導法

 

📍 シチュエーション

備品や設備の対応に追われた日、合間を縫って呼び込みが苦手なスタッフの指導をすることになった。声は出ているのに、お客様の前に出ると急に声が小さくなり、視線も泳いでしまう。本人にも自覚があるようで、呼び込みの順番が近づくと表情がこわばるのが見て取れた。

これまで「もっと大きな声で」「堂々とやってみて」と伝えてきたが、あまり改善は見られなかった。声量の問題ではなく、もっと根本的なところに苦手意識の原因があるのではないかと感じ始めていた。

❌ よくあるNG対応

  1. 「大きな声で」「堂々と」など、抽象的な精神論だけで指導する
  2. 苦手な理由を聞かずに、とにかく回数をこなさせようとする
  3. 他のスタッフと比較して、できていない点だけを指摘する

✅ 店長(SM)目線の推奨対応

本人に「呼び込みの何が一番怖いか」を聞いてみたところ、「無視されるのが怖い」という答えが返ってきた。声を張ることそのものより、反応がないことへの恐れが根っこにあった。そこで、いきなり全開の呼び込みを求めるのではなく、「まずは会釈だけでいい」「会釈で目が合った人にだけ、一言添えてみる」と、成功体験を積みやすい小さな行動から始めてもらうことにした。

「できていないこと」を指摘するのではなく、「怖さの正体」を一緒に特定し、そこから逆算して行動を分解する。これが結果的に、本人のペースで前に進める指導になった。

💡 一歩進んだ視点

NLPでは、行動の背後にある感情や信念(この場合は「無視されるのが怖い」という思い)を扱わずに行動だけを変えようとしても、長続きしないとされる。声量を上げるよう指示するのは表面的な対処に過ぎず、根本の怖さに触れない限り、また元に戻ってしまう。

カーネギーも、まず相手の話に耳を傾け、相手の視点から物事を理解することの大切さを説いている。「なぜできないのか」ではなく「何が怖いのか」を聞いたことで、指導の方向性がまったく変わった。指導する側が答えを決めつけず、相手の内側にある理由を聞き出すことが、遠回りに見えて一番早い改善につながると感じている。

🌟 まとめ

  • 苦手の原因は声量ではなく、感情面にあることが多い
  • 「何が怖いか」を聞き、小さな成功体験から行動を組み立てる
  • 答えを決めつけず、相手の視点から理由を理解することが近道になる